【ひじき】は食べない方がいいの?安心のために水戻し+茹でこぼし

ひじきは、小鉢ひとつでたくさんの栄養がとれる優秀な食材で、栄養バランスの良いひじきの五目煮は学校給食でもおなじみですね。今回は栄養たっぷりの「ひじき」を 安心して食べるための 下ごしらえ を中心に、ひじきについてまとめました。

” ひじき ” について

海藻の一種 ひじき。海岸近くの岩場に繁茂しています。

岩場から丁寧に刈り取られたひじきはそのまま天日干しされた後、加工業者が洗浄、水戻し等を行い、蒸す、もしくは茹でられる方法や、採れたひじきを先に茹でる方法など、製造工程は様々。

こうして製品化されたひじきが、スーパー等で乾燥ひじきとして売られています。

ときどき「生ひじき」として売っている場合もありますが、干しひじきを水戻ししたもののようです。

芽ひじきと長ひじきの違い

★芽ひじき(姫ひじき、米ひじきともいう)
ひじきの茎から芽のように出た葉の部分。やわらかく、サラダなどにもピッタリ。最近ではひじきご飯も人気ですね。

サラダにひじきをトッピング

 

 

★長ひじき(茎ひじき、糸ひじきともいう)
ひじきの茎の部分で歯ごたえがあり、長時間煮ても形が崩れず煮物に向いています。

 

ひじきの五目煮は、言わずと知れた日本食の定番副菜ですね。

 

 

製品化としての量は、やわらかい芽ひじきの方が多く採れるのだとか。

 

ひじきの栄養

ひじきは、鉄分・カルシウム・ヨウ素・食物繊維などが豊富で低カロリーと言われていました。

しかし、2015年の日本食品標準成分表によると、ひじきは、干しひじきの状態と、戻した状態、そして鉄釜を利用して製品化されたのか、ステンレス釜なのか等によっても栄養価に違いが出てくることがわかっています。

特に、鉄分の宝庫と言われていたひじきの鉄分は、実はそれほど多くないようです。

 

ひじきの鉄分はそんなに多くない

以下は、2005年当時の日本食品標準成分表(文部科学省HPより)を鉄分の値を見るために管理人が無機質(ミネラル)部分のみを抜き出して加工したものです。これを見ると、ひじきの鉄分は可食部100gあたり55mgとなっています。


出典:文部科学省ホームページ 五訂増補日本食品標準成分表 – 2005 -PDF 9.藻類
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/002/009.pdf
ひじきの無機質部分のみ抜き出す加工をして利用

 

しかし2015年版を見ると、製造工程で、「鉄釜、乾」の所を見ると、58、2mgとありますが、これは「鉄釜で煮熟後乾燥したもの」です。つまり、鉄釜で加工した乾燥ひじきの事です。現在多いであろうステンレス釜で加工された乾燥ひじきの鉄分は100gあたり6、2mgです。


出典:文部科学省ホームページ 日本食品標準成分表2015年版PDF 9.藻類
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/12/24/1365343_1-0209.pdf より、ひじきの無機質部分のみ抜き出す加工をして利用

つまり、2005年のひじきの鉄分量は、鉄釜で加工された乾燥ひじきの状態という事になるのではないでしょうか。

 

以下は、文部科学省HPに公開されている「ひじきについてのQ&A」です。
質問の1つに「ひじきの鉄の値は減ったのですか?」とあります。
回答には、製品ごとのばらつき、製造工程などに由来するとの情報により分析しなおした旨が書かれており、「ステンレス釜製品と鉄釜製品の間に有意な差があったため」と明記しています。

という事で、2015年の日本食品標準成分表の鉄分の値から考えると、水戻しして調理した場合、最近の場合はステンレス釜を使用していると考えた場合は、ひじきの鉄分量は可食部100gあたり0、3mgです。少ない・・・


出典:文部科学省ホームページ日本食品標準成分表に関するQ&A[PDF]”ひじきについて”
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/__icsFiles/afieldfile/2017/02/22/QA_2015.pdf
該当部分のみ抜粋

 

さて、

ひじきの鉄分が少なくてもがっかりしないでください。

ひじきは引き続き低カロリーで、水戻しして調理したひじきのカロリーは100gあたり10kcalですし、ヨード(ヨウ素)は調理後も1000ug、しかし食物繊維は乾燥状態では100gあたり51.8gあるものの、戻して茹でると3、7g、戻して炒めると4,5gです。でもカルシウムは調理後も100gあたり約100mgあります。

 

さて、ひじきで1つ心配事が有るとすれば、ヒ素ですね。

 

ひじきに含まれる無機ヒ素について

そう。ひじきにはヒ素が含まれています。ヒ素はヒ素でも無機ヒ素。

無機ヒ素とは?

ヒ素は、土壌や水中に天然に存在する他、廃棄物処理や火力発電などでも大気中に放出されます。その内、炭素を含む化合物を有機ヒ素、炭素を含まない化合物が無機ヒ素です。

口から入った場合、消化器官が刺激を受け、腹痛、下痢、嘔吐などを引き起こす他、中毒症状やショック症状を引き起こすことが有るのだとか。

無機ヒ素が一度に、または短い期間に大量に体の中に入った場合は、発熱、下痢、嘔吐、興奮、脱毛などの症状があらわれると報告されています。また、無機ヒ素が長期間にわたって、継続的かつ大量に体の中に入った場合には、皮膚組織の変化やがんの発生などの悪影響があると報告されています。
出典:農林水産省 食品中のヒ素に関する基礎情報「ヒ素がヒトの体に入ることで生じる影響」より一部抜粋(2017年6月8日利用)http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/basic.html#1

また、ヒ素化合物は殺虫成分として利用されたり、無色、透明、無味であることから、過去には毒として何らかの目的に利用されることもあったようです。

2001年、カナダ食品検査庁CFIA(Canadian Food Inspection Agency)は国民に対し、ひじきの危険性を大々的に公表。2004年には、英国の食品基準庁FSA(Food Standards Agency)が、国民に対し、ひじきの危険性について勧告しています。

また、WHO組織下に位置する国際がん研究機関 IARC(International Agency for Research on Cancer)による「発がん性リスクのある化学物質、混合物、環境」の一覧には、ガンのリスクあるとされるグループ1(もっとも可能性が高いとされる)にヒ素およびヒ素化合物が分類されています。
このグループ1には、他に、アスベスト、ホルムアルデヒド、ヘリコバクター・ピロリ感染、X線照射、アルコール飲料、加工肉(ハム・ソーセージ等)、喫煙なども含まれます。

ヒ素(総ヒ素)には、有機ヒ素と無機ヒ素があり、そのうち、注意が必要なのは無機ヒ素です。ヒジキに含まれるヒ素は主に無機ヒ素(乾物では総ヒ素含有量に対して約7割が無機ヒ素)ですが、無機ヒ素は水溶性なので、水洗い、水戻し、ゆでこぼし等によって低減することができます。通常、ヒジキ製品の製造・加工工程や家庭での調理の際、水洗い、水戻し、ゆでこぼし等が行われますので、その過程で無機ヒ素は減っていきます。
出典:農林水産省HP「ヒジキに含まれるヒ素の低減に向けた取組」より一部抜粋(2017年6月8日利用)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/maff_hijiki.html

小松菜、海藻(昆布など)に含まれるヒ素は有機ヒ素で、人体に無害だそうですが、まだ解明されていない事が多いようです。なお、芽ひじき、長ひじき、どちらも無機ヒ素の含まれる量は同じくらいだとの事ですが、今後さらに新しい事が解明されるのでしょう。

 

【安心】ひじきの水戻し・茹でこぼし

気になる場合は乾燥ひじきを水で30分以上戻して良く絞り、さらにお湯をかけるなどしてから調理すると良いようです。これで大部分の無機ヒ素が流れるのだとか。

もっと気になる場合は、茹でこぼしをおすすめします。

乾燥ヒジキの無機ヒ素は、「水戻し」で5割程度減り、乾燥ヒジキを直接ゆでる「ゆで戻し」でも8割程度減りましたが、無機ヒ素を減らすための有効な方法は、水戻し後にさらにゆでる「ゆでこぼし」で、9割程度まで減りました。
また、乾燥ヒジキの鉄分、カルシウム、食物繊維は、「水戻し」、「ゆで戻し」、「ゆでこぼし」をしても、7割以上残りました。
出典:農林水産省HP[乾燥ヒジキのヒ素を減らす調理法の調査結果」より一部抜粋(2017年6月8日利用)http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/maff_hijiki.htm)

 

管理人は30分以上水戻しして、しかも水戻し中に何度も水を替え、その後絞ってから茹でるようにしています。これなら9割以上減りますね。

 

 

大豆、こんにゃく、油揚げ、にんじんなどを入れて五目煮にし、かつ、ひじき少なめでさらに安心かもしれませんね。

 

 

【他にもあるある、鉄分たっぷりの食材】
マグロ、イワシ、カツオ、あさり、カキなどの魚介類、肉、レバー、卵、納豆、枝豆、パセリ、大根の葉、小松菜、ほうれん草、ナッツなど・・・

 

非ヘム鉄(植物性)の鉄分の吸収をよくするビタミンCを含む食材
ピーマン、芋類、果物、キャベツ、ケール、モロヘイヤ、ゴーヤなど・・・

そして、どんな栄養素もミネラルが無いとしっかり働きませんでしたね。

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おわりに

無機ヒ素含め、有害な物質は便などで排出されるように出来ているため、腸内環境を整えておきたいです。

また、余分なミネラルを排出してくれる作用のあるフルボ酸は、有害な重金属とされる水銀、ヒ素、鉛などと結合して体外に排出する働きがあると言われています。フルボ酸とは、環境中に存在する有機酸の一種。生物の最終形態とも言われる物質で、土壌(腐植土)などに含まれていますが、天然のものは腐植酸と言われるフミン酸が含まれています。ミヤモンテフルボ酸は、フミン酸を含まないのフルボ酸のため、安心して愛飲しています。

という事で、ひじきだけを避けなくても、バランスの良い食事をして、規則正しい生活で体を健康に保ち、出すものは出していればいいのかもしれません。ひじきは日本食には欠かせない食材ですから。