ワークライフバランス(work–life balance)が、仕事と生活の調和と充実なら、
ワークライフミックス(work-life mix)は、仕事と生活の融合と充実といえるでしょうか?たとえば子供同伴で出勤する。在宅勤務も家事や子育てをしつつ勤務出来る場合はワークライフミックスに入るでしょう。
仕事と生活の垣根を取り払えるところは取り払い、ミックスさせる。
まだ新しい概念ですが、その輪は広がりつつあります。
※大がかりに編集済み
ワークライフバランスとワークライフミックスの違いは?
ワークライフバランスは、大まかにいうと「仕事と私生活(とコミュニティ参加)の両立」。
国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる
(出典:Wikipediaフリー百科事典 「ワークライフバランス」)
個人のバランスの中で仕事、家事、育児、介護などをしながら地域社会とつながりを持ち、プライベートも充実させることは大変望ましいことです。
仕事も私生活も大切にすることで、両方が上手くという好循環が生まれたら、どんなに素晴らしいでしょうか。
しかし残念ながら、希望する職種や安定した職業に就けない、仕事と家庭、プライべートの両立が難しい、仕事でのストレス、過労などにより心身ともに健康状態が悪いなどの理由から、仕事と生活のバランスを保つのは難しいそうです。
将来に不安があり、希望を持てないという人も多く、社会の活力の低下や出生率の低下、少子化の原因にもなっているとの考え方も。
こうした状況を改善するべく、日本でも企業や自治体、政府などによるワークライフバランスの取り組みが広がっています。
一方、ワークライフミックスは、
たとえば「仕事中でも育児、家事、介護、プライベートな用事ができる」。
「育児、家事、介護、プライベート中でも仕事ができる」など、その人の事情に合わせて仕事とそれ以外の生活が一緒に出来ること。
仕事とそれ以外の生活を切り離すのではなく、垣根を部分的に取り去る感じでしょうか。
一部、子供を連れて出勤できる企業がありますが、ワークライフミックスの先駆けと言えるでしょう。
ところで、実は自営業やフリーの仕事をしている人の中には、すでに仕事と子育てを同時に行っている人も。
管理人の周りでも「仕事中に自宅へ帰り、家事を済ませたあと、保育園に子供を迎えに行って仕事場に連れてきて仕事をする」人もいますが、これもワークライフミックスですね。
ただし、彼らの場合は「そうせざるをえない」からそういうスタイルになっている人も多いでしょう。
ワークライフミックスの輪が広がれば、仕事のために犠牲にせざるを得なかった事が出来るようになる人が増える、もしくは私生活のために出来なかった仕事もはかどるかもしれません。
また「仕事中なのにそうせざるをえない」感が、「仕事中にだってできる」感に変わるかもしれません。
また、ワークライフインテグレーションという概念も有るようですが、こちらは仕事と私生活の統合と充実というような意味で用いられ、仕事と私生活を分けて考えるワークライフバランスとは違い、ワークライフミックスと非常に近い概念のように感じます。
ワークライフミックスもワークライフバランスの一部?
ワークライフミックスというのは、ワークライフバランスの中に取り入れられる概念かもしれません。
仕事と私生活をミックスさせることで生活のバランスが整うのなら、ワークライフバランスが実現していることになるからです。
ちなみに、親世帯・子世帯とや孫世帯との同居をしている人、そうでなくても日中、誰かに家事や幼児、子育てなどをしてもらっている人、みんなで協力してワークライフを充実させている人たちは、ワークライフトュギャザー(work-life together・今勝手に作った日本語英語の造語ですのでご注意ください)を実現している=ワークライフバランスを実現していることになるのかもしれません。
子育てに関してはすでに「地域で子育て」の拠点や支援もありますね。
ワークライフミックスも、バランスも、実現可能なの?
ワークライフミックスは、現在のところ、フリーの仕事や自営業、在宅勤務の人には、調整すれば可能かもしれないスタイル。もしくはそうしたスタイルを可能にした企業で働くことで可能に。
ネット社会に生きる私たちにとっては、今後増えていくであろうスタイルだと思います。
しかし現在のところ
まだまだ縁遠い人が多いスタイル。
(写真素材ぱたくそ)
ワークライフミックスを実現させたい人は多いのですが、よほど思いきらない限り、現在のところはワークライフバランスで仕事とプライベートを充実させる方が身近に感じられるかも?
ワークライフバランス のほうも、人によっては時間的にも精神的にも難しいかもしれません。
ワークライフバランスが古くから根付いているイギリスやアメリカにおいても、ワークライフバランスを実現出来ていると感じる人は数少ないようです。
アメリカのコンサルティング会社Work-Life Balance Mastery & Motivation Mastermindが行った調査によれば、男性労働者が89%、女性は87%の割合で、ワークライフバランスの実現について不可能と回答した。また、企業が労働者に対して用意しているワークライフバランスを実現するためのプログラムについて、98%もの労働者が効果がないと回答している。
(出典:Wikipediaフリー百科事典 「ワークライフバランス」)
最近、日本では「良く働いて子供もたくさん産み育て、地域社会とも交流して、その上で私生活を充実させる」というスタイルがモデル化されている感じがします。
ワークライフバランス推進のゴールも、まさにそこなので仕方がありませんが、そこに息苦しさを感じる人もいるかもしれません。
人によって人生設計は違うからです。
ワークライフバランスの本当のところ
ワークライフバランス=仕事ばかりしないでもっと自分の時間を充実させる
というイメージがある人もいるかと思いますが、人口減少の中、一億総活躍社会が目指す方向を考えると、
「私生活を充実させることで家庭を持とうと思えたり、夫婦の時間が出来るなどして子供が増え、子育てもしやすくなって少子化に歯止めがかかるかもしれないけど、時代の流れ的にもどうなるかわかんないし、若い人もシルバー世代も、みんな働いて税金収めてね。年金制度もやばいしね。今まで働いてなかった人や働く必要の無い人たちも全員働いてね」
というのが本当のところではないでしょうか。実際、遠まわしではなく、「産めや育てや(働けや)」と盛んに言っていますね。
ワークライフバランスは基本的に「働きたいすべての人のためのもの」で、ライフステージの段階によっては一時的に働いていなくても、一生のうちの特定の時期でも仕事をしている人、仕事をしたい人が対象のようです。
「ワーク」という字が入っている時点で当たり前ですが、働くことが前提。でも「お願いだから国民全員参加してね」のようなイメージが個人的にします。
それなら・・・
ワークライフバランスは自己流でいい
ずっと専業主婦(主夫)の人でも、または事情があって給料をもらう仕事が出来ない人でも、家事や育児、介護、障害、その他、なにかしらに一生懸命、誇りを持って取り組んでいる人も大勢います。
しかし、そんな人たちの中には、働いていないという理由で社会から切り離された疎外感を抱いてしまう真面目な人もいます。
今はさらにワークライフバランスが叫ばれているため、なおさら「今で精一杯だけれど、それでも何とかして外でも働かなくては」という義務感を抱いてしまう人もいるかもしれません。
ということで、そんな方も、ワークライフバランスのワークの部分に、給料の発生する仕事でなく、自分のするべきことをあてはめて、自己流に取り入れてみるのもいいかもしれません。
ワークライフバランスを全く無視するという人もいるでしょうし、気にしないという人もいるかと思います。
でも、もっと働きたい!という人は「ワークライフバランス?いやいや、もっと働きます!」と逆に意欲が湧いたりして、ワークライフバランス推進はある意味成功です。
管理人も個人的にもっと働きたいと思っているほうなので、ワークライフバランスをすごく意識しています。
ところで、人によっては自分で「何歳まで」とワークライフバランスにもリタイア年齢を自己流で作ってもいいかもしれません。
シルバー世代になって何年もたつのに、テレビのインタビューで「○○さん・85歳・無職」と文字スーパーが出る時代。専業主婦も今は「主婦」ではなく、「無職」と表記されていることが多いでしょうか?すごい角度からプレッシャーかけてきますよね。死ぬまで働けという事でしょうか。
せめて「元会社員」などの表記にすればいいのにと個人的に思います。
将来自分でリタイアと決めた後はそうした表記を気にしないで生きたいと思っています。
大切な子供たちが健やかに育つためには、大人たちが心身ともに健康であることが必須。大人も一人の人間ですから、大切にされるべき対象。
自分を大切にして、時に窮地に立たされている人を助け、周りに迷惑をかけない範囲で自分なりにバランスよく・・・でいいかもしれません。
ワークライフバランスも自己流で。
ワークライフバランス自体、もともと「個人のバランスでどうぞ」というモノですから。
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